2015/12/12

ドローイング版画 その後





以前描いた金箔ペン画に、ドローイング版画を合わせてみました。
インクのラインに勢いがあって楽しい画面になりました。





このドローイング版画は、以前描いた金箔ペン画のラインをトレースして描きました。下の作品がオリジナルです。同じ形でも描き方の違いで全然違うものが出来上がって面白いですね!




オリジナルの金箔ペン画で描いた馬の置物。
左右が反転しているのは、版画のためです。

ショールを巻いた女性




陰影による立体表現ではなく、線を使った表現が牧歌的な空気を感じさせます。この写生をつかって、15号の油絵を制作されるそうです。






色つきの紙を使い、ポイントに金箔をコラージュしました。肉感的な表現がとてもいいですね。






女性の動きがよく捉えられています。濃い紙に、ガッシュ、パステル、金箔を使って表現しました。様々な画材をつかい、民族的な空気がとても魅力的ですね。何重にも重ねられた線が衣服にも存在感を与えています。






どこかドラマの一場面のような空気があって、不思議な存在感のある絵だなと思います。組んでいる腕を境に、上体と腰のつながりが少し弱く感じるかもしれません。



2015/12/05

アンディ・ウォーホルのドローイング版画




アンディ・ウォーホルの初期の作品に、ブロテッドラインという技法で描かれたドローイング版画があります。ブロテッドとは「かすれた」という意味で、味のある線が特徴です。撥水性のある紙にインクで線を引き、乾かないうちに本紙の方に転写するという技法です。その後カラーインクで手彩色します。

写生から線だけをトレースする行程は日本画的でもあり、整理された線と形はすっきりとした画面が生みます。

上の作品は、以前教室で写生したアンスリウムを、線だけ抽出しドローイング版画にしました。写真からアウトラインをなぞるよりも、実際の形を意識できた線が描けていると思います。





猫の七福神です。「先生ひらめいた!」と言ってノリノリで描いてらっしゃいました。僕が「ジバニャンがいっぱい」と言ったら、きょとんとされていたので、ご存じなかったようでした。面白いです^^





確か、三美神の古い絵画をトレースされていたのだと思いますが、連続するイメージとポップな色彩がウォーホル的で、伺ったらオマージュだそうです。とても洒落ていますね。





毎年ご家族にクリスマスカードを送られている生徒さんが、描かれていました。(金箔を貼っている途中です)





なにかの広告写真を使って描いてらっしゃいました。どことなくコンセプトもベン・シャーンに似ていて、味のある線だけでも面白いものができあがるなと感心しました。

後日談
家に帰って額に入れたら、なんか日の丸みたいになっちゃった!っておしゃっていました。確かに!






この方も何かの写真をトレースされていて、ラインを転写し手彩色した後、金箔を貼られていました。その時言わなかったのですが、乳首にも金箔が貼ってある!と密かに思っていました。^^





作家の人形の絵をトレースされていて、ラインを転写している最中にインクがつぶれ、片目が眼帯みたくなってしまい、すごくおもしろい!とみんなで笑いました。(オリジナルの方ごめんなさい)

2015/11/28

金箔ペン画




和紙にモチーフの部分にだけ金箔をはり、ボールペンで描いています。ベネツィアの思い出のペンダントトップをモチーフに選びました。

金箔は周囲の光の状況により変化し、不思議な立体感が生まれます。








描いたものは角のある動物の置物ですが、古い壁画のようでもありなかなか面白いですね。






東欧の木彫の置物をモチーフに選びました。とても愛らしくユニークですね。






使ってるボールペンは普通にコンビニで売ってるものですが、同じ種類のボールペンでも太さによって色味や表情が変化するようです。毛並みの流れや立体表現に、太さの違うボールペンを使っていておもしろいですね。





ボールペンのタッチが生き生きしていて良いですね。背景に少し色をつけることにより、モチーフに雄大な時間の流れを感じさせます。ヨーロッパの馬の置物だと思いますが、どことなく中国的な風情も感じます。




外国人女性 固定ポーズを2つ



理知的な空気をまとった、ウクライナのうつくしい女性を描きました。今回は20分の固定ポーズ3回で1枚を仕上げ、2種類のポーズを描きました。

形をとる勉強には全身を描いたほうがよいのですが、時間もあまりありませんので、上半身や顔だけ描かれる方も多くいらっしゃいます。

この作品を描かれた方は、構図を右に寄せ、間をもたせることにより静かな時間を感じさせることに成功しています。






線が生き生きしていてとても良いと思います。1本1本の線が関係しあっていて、画面に生命感を与えています。重ねられた本の存在感が弱いので、人体と同じくらいの強さのラインが入ったほうがいいいと思います。






モデルさんの理知的な空気がよく描けていると思います。ゆったりとした構図もいいですね。






左からの光を感じなら、ざっくりとした筆の運びがよいと思います。描いてる時は意外と気づかないのですが、こうして写真に撮ってみると、背景の濃い四角が、頭頂部の高さと重なっているので、少し窮屈に感じるかもしれませんね。



2015/11/21

春咲きの球根



今頃の花屋さんには、春に咲かせるための球根がたくさん並んでいます。普段は咲いた花ばかり描いていますが、今回は球根を描くことにしました。

上の作品は、和紙に色鉛筆で丁寧に描かれています。球根の微妙な色合いや、手前のドライのきのこの模様がとてもきれいですね。





山百合の球根です。今の時期八百屋さんにも百合根が並んでいますね。らせん状に重なりあう球根の表情がよく描かれています。根っこの流れを活かした構図です。






紅葉した多肉植物(コルダータ)の葉とカリンです。美しい葉の色合いに目が行きがちですが、葉の付け根や茎もきちんと描かれていてとても良いと思います。





色つきの紙に、ガッシュの白と色鉛筆で描かれています。色鉛筆を丁寧に重ねて微妙な球根の色と質感が表現されています。

2015/10/31

秋の収穫




和紙に鉛筆でデッサンをされています。和紙の風合いがあたたかく、画用紙で描くよりも感じ良く見えるのが面白なと思います。

上の作品はざくろの質感やカラスウリのつるの感じが、丁寧に描かれていてよいと思います。





柿とトマトは意外と似ていますが、このデッサンはちゃんと柿に見えますね。ヘタと枝の付き方や、よく見ると実の四角い感じが特徴を捉えていると思います。





最近はかぼちゃの種類も増えて、たのしいですね。かぼちゃの模様や凹凸が丁寧に描かれています。奥のかぼちゃの机に落ちる影を、もう少し監察してあげると空間が奥にも広がると思います。





どっしりとしたかぼちゃの量感がいいですね。かぼちゃの頭部と奥の葉の重なりが、意外と難しそうです。



外国人男性 固定ポーズ




ルーマニア出身のモデルさんを、2回の授業にわたって描きました。対象物を理解するには、何度も観察することが大切です。その度に見落としや、新しい発見に気付かされたりします。題材から教えてもらうことが、画面の生命感につながっていきます。

上の作品は、外国人の雰囲気がとてもよく表現されていると思います。服のしわは、人体の骨格や筋肉の張りなどと関係してできています。しわがあるから描くのではなく、その奥の、体の構造を想像して描くことが大切です。





体格に重さを感じるデッサンですね。座ってる感じがとてもよく描けています。肘を付いている奥の手をもう少し薄く引っ込めてあげると、手前の肩や背中の厚みが増すと思います。





顔の表情に存在感があり印象的に描けています。服のしわを細かく追っているのですが、体格のボリュームがもう少し出るとより良くなると思います。具体的な案は、背景を思い切って暗くすると、体が浮かび上がってきて良いかもしれません。





ハードボイルドな雰囲気がかっこいいですね。絵を薄目で見た時に、弱くなる所が骨格のつながりを弱めているところです。具体的には、右手の前腕に対して、右手力こぶの辺りは、形が抜けてしまっているので、背景を濃くするか、ラインを引いてあげても良いかもしれません。