2010/11/28

水晶と質感の描き分け




いくつか質感の違うものを集めて、違いを描きました。

水晶、蓮のドライ、鉄の球、すりガラスの球。蓮以外は時間の経過によって、光の影響を受けやすい題材です。“描きやすい時”や、”綺麗に見える!"時があり、花と同じように良い時に描いてあげたいですね。

水晶は面によって明るさが変わりますが、一番明るい面を見つけて描くとシャープな印象を表現できます。上の作品は個々の質の違いを丁寧に表現されています。







水晶で難しいところがあるとすれば、立体を表現することかもしれません。映り込みの現象を追うことで、ガラスの質感は表現できるのですが、面の違いや、ごろっとした物の重さも意識しないと、なかなか存在感は出てきてくれません。

上の作品は、面の方向の違いを表現し始めていて、静かに置かれている感じがいいですね。







背景をつけることによって、より水晶の中の光を表現しています。触った時の温度を感じさせるいいデッサンです。







水晶が白い空間の中で、スクッと立ち上がった表現がいいですね。石の中の、上部の透明感と下のすりガラス状の表現の違いがよく描けています。







蓮の実の穴がムンクのようですね^^
穴の周りがクレーターのように、縁が浮き上がってるいる表情を丁寧に描いています。

2010/11/27

ダンサー・クロッキー

絵で人に何かを伝えられたら、それはすごい事だと思います。
上手く描くことも細密な描写も、それは表現の一つだと思いますが、大切なのは生き生きしてる事ではないでしょうか。

面白いなと思うのは、生き生きしてる絵というものが、上手い下手ではないこと。思い切って声を出してみたら、歌えた!という感じで、自分の表現で描かれている作品はちゃんと伝わってきます。

人物画のクラスでは、ダンサーの方に踊っていただいてそれを描く事があります。動いている題材ほど難しいものはないと思いますが、最初は、人が立っているのか、座っているのか、どちらを向いているのかだけでも描けたら万々歳だと思います。どんどん描いていくと、眼と手が一体となっていく感じが体感できます。細部は、固定ポーズの時に観察すればいいのです。









ダンス中のクロッキーです。人が動いている姿が、本当に伝わってきますね。いろいろな描き方があると思いますが、教室では“覚えて描く”ということをおすすめしています。じぃーっと見て、「よし!覚えた!」と思ったら描きます。^^







人の存在感が感じられてとてもいいですね。線の流れが肌の柔らかさも表現されていると思います。










2枚同じ方のクロッキーです。線を何回も引き直したり、毎回楽しんで描いてらっしゃるのが絵から伝わってきます。

2010/11/20

手のデッサン





手を描くときに一番気をつけることは、手首の関節。
手は骨格も複雑で、関節や筋が複雑に入り組んでいます。

手首の関節は、手のひらと腕をつなぐ大きな関節ですので、この位置をきちんと意識することが大切です。

自画像でも同じことが言えるのですが、今持っている自分の技術で、今の自分自身を描くことは、とても意味深い事だと思います。時を捉えるような、本当に今しか描けないことです。

上の作品は、そういう事を気づかせてくれるようないい作品ですね。丁寧に見つめている感じがよく描けています。こういう目で普段見慣れたリンゴや花を描くと、なんでも美しく見えてくると思いませんか。







物を持ったり掴むことは、遙か昔からしてきたことで、知性というか意識がそこにある感じがします。写真がぼけてて申し訳ないのですが、難しい手首の筋を丁寧に描けています。







最初に手の塊の大きさの当たりをとって、指の関節を描いていきます。指先の向きの表現に苦心されていましたが、手をそっと置いた存在感はとてもいいですね。







講師作品
関節のわかりやすいポーズにしました^^
鉄の球や、爪の質感に変化を出してあげると、肌の色が表現しやすいです。

2010/11/13

浴女




ドガの浴女の作品のような、髪を洗っているポーズをお願いしました。髪も体の一部。別々に描くのではなく、常に一緒に描くことが大切です。

上の作品は、背筋が右へカーブするラインの先に、右手でつかんだ髪の束があります。体の傾きが、首だけで曲げているのではなく、上体がしなやかに傾きながらひねっており、その姿がよく描けています。






左の人物の、体を丸めている感じが魅力的に描けています。ちゃんとよく見ないと描けない耳の表現や、唇の厚みなどとても女性らしくていいですね。






パンパステルと墨の線の組み合わせ。先にパンパステルで人の存在感を描いた後で、細い墨の線を入れています。女性独特の体のラインをやわらかな細い線で描かれています。






一番最初の作品と同じポーズですね。三枚ともよく描けていますが、髪を引っ張っている感じは、首筋と髪の毛のラインが繋がっている左の絵がいいと思います。右の作品は女性らしい腰から腿にかけてのラインが人の重さを感じさせます。

2010/11/06

クリスタルの結晶




クリスタルの結晶を鉛筆デッサンしました。

結晶を描くときのポイントは、明るい面がどこかを決めること。モチーフをセットする時、あるいは座る位置によって、キラッっと面が光る瞬間があります。その明るさを大切に描くと、硬質な輝きのある結晶を描くことができます。





映り込む現象はクリスタルの特徴ではあるのですが、大切なのはコロッと机に置いてある感じ。全体の塊感です。現象を細かく観察するだけでなく、たまには立って画面を離れて見ることが大切です。