2011/05/29

バレリーナ

バレエをされている方を見ていつも気になるのは立ち姿です。



バレエの立方の特徴は、上下に引っ張られているということ。
頭は天井に、足は地面に伸ばす意識で踊ってらっしゃいます。
この作品では、ひねりながら上下に伸びてる姿がよく描けています。




4枚同じ方のクロッキーです。右上のクロッキーは片足の踏ん張りが良く描けていますね。下の2枚は、パーツの大きさやバランスは気になりますが、臆することなく線が引けているので、ダンサーが凛々しく見えます。




中央の立ち姿のクロッキーがとても凛々しいです。左足で重心をとっているのがよく描けています。チュチュをつけた座りポーズは、腰が見えないのでつながりが弱くなりがちです。




足の形がとてもバレリーナらしいですね。難しい肩と首と頭のつき方もよく描けています。足を描く時は、2本の足の隙間を描くつもりで観察すると形が取りやすいです。

2011/05/28

薔薇


春はいろいろな薔薇が咲いていて、色や形、香りまで楽しむことができて気持ちのよい季節です。
今回は花屋さんで売っている薔薇ではなく、地植えの薔薇を分けて頂いて鉛筆で描きました。



花のもつやわらかいふくらみが、線と陰影によってシルクのように描けています。花びらの付け根までのラインをきちんと理解することで、「芯」と「向き」のある花が描けています。








講師作品。大きい枝をそのまま描きました。つるバラの枝の流れがとても美しかったです。




一重のバラです。花だけでなく、茎や葉を丁寧に観察しているとこがとてもよいですね。やわらかな花弁とシャープな茎のコントラストが美しいです。

2011/05/15

男性ヌード

正直なところ、男性ヌードの回は女性のモデルさんの時より参加者が減ってしまうのですが、僕は男性も描かないと女性が描けないと思っています。
男性と女性の骨格や表情の違いを理解することで、より生き生きとした人物を捉えられるようになります。
今回はオイリュトミーというダンスをされている方をお呼びして、クロッキーを中心に行いました。




線が力強くとてもよいですね。描きながら人物と椅子との関係を注意しないと、もしかしたらお尻が落ちてしまうかもしれません。





左のポーズを見る時に意識することは、頭部から左足のかかとまでの流れです。後頭部から胸の正中線への流れが、意識されている所がとてもよいですね。





2色のパステルをつかって、ネジレや重心がよく描かています。右のひねったポーズのラインがとてもきれいです。





人体を直線的にとらえることによって、男性的な雰囲気が出てきます。男性モデルの場合、筋肉や骨格がわかりやすいのでとても勉強になります。

2011/05/14

牡丹と葉

線を描く上で、はじめと終わりがとても大切です。
はじまった線が、どこへ行きつくのか。その先を意識したり想像する事で、対象物をより理解できます。

花びらの線を追っていて、その先にシベや茎の付け根があったり、ギザギザした葉の葉脈を追っていったら、その先がギザギザの先端とつながってた!と気づいたりします。

見落としに気づいたり、発見することで、世界とつながることができます。





大輪の牡丹を、画面いっぱいに描きました。
花びらが柔らかく描けていていいですね。花びらの奥へ続くラインまで丁寧に観察できています。ユリでもバラでも、花びらが落ちた後、シベと茎がどうつながっているかを観察することが大切です。





茶と緑が混ざったような色の大きなアンスリウムの葉です。





お二人とも葉一枚を丁寧に観察できていますね。
日本画家の小倉遊亀さんが生前、

「一枚の葉が手に入れば、宇宙全体が手に入る」

とおっしゃっていました。
すごい境地ですが、一つ一つをごまかさないで観察することで、少しでも理解できるように学んでいきたいと思っています。