2010/08/02

自分が動くクロッキー




 人物でも静物でも、写生でも、対象物(モチーフ)のいい位置を探すのは、基本的なことの一つかもしれません。いい位置がよくわからない方は、描きたいものが沢山あって絞りきれ無い場合や、もしくは探してもいない場合があります。いい位置は探せば沢山あるのです。

教室のような場所で、みんなで囲んで描く場合は難しいかもしれませんが、少し右にずれるとモデルさんの鼻が見えるとか、足の重なりがよく見えるようになるなど、少しの手間が最終的な作品の仕上がりに大きく関わってきます。いつもはモデルさんが正面を変えながらポーズしてくださっていますが、今回はモデルさんは動かず、数分ごと生徒さんに動いて描いていただきました。


上の3枚のクロッキーは、20分間の固定ポーズです。同じポーズでも描く位置によってだいぶ印象が変わることがわかりますし、描いてみると「こんなに体をひねっていたんだ!」と気づくことができます。

デッサン力とは、見えないところを想像する力でもあります。モデルさんの動きを理解するために、自分で同じポーズをとってみることもデッサン力の向上につながります。






あらかじめ下地をつけた紙に描かれています。とてもいいですね。この場合も、お尻の骨盤から首筋まで、見えない背骨でつながっています。片足をあげて背骨を曲げている感じがよく描けています。






自分で動いてポーズを探したクロッキー。こうして見ると違うポーズのようですが、同じポーズのものを見つけられますね。






木炭紙大の紙にめいいっぱい大きく描かれていて気持ちいいですね。このポーズの気をつけるところは、お尻と、背中の丸み(背骨)が、最終的に髪で見えない首筋を通り、頭頂部とつながるラインです。