2011/05/15

男性ヌード

正直なところ、男性ヌードの回は女性のモデルさんの時より参加者が減ってしまうのですが、僕は男性も描かないと女性が描けないと思っています。
男性と女性の骨格や表情の違いを理解することで、より生き生きとした人物を捉えられるようになります。
今回はオイリュトミーというダンスをされている方をお呼びして、クロッキーを中心に行いました。




線が力強くとてもよいですね。描きながら人物と椅子との関係を注意しないと、もしかしたらお尻が落ちてしまうかもしれません。





左のポーズを見る時に意識することは、頭部から左足のかかとまでの流れです。後頭部から胸の正中線への流れが、意識されている所がとてもよいですね。





2色のパステルをつかって、ネジレや重心がよく描かています。右のひねったポーズのラインがとてもきれいです。





人体を直線的にとらえることによって、男性的な雰囲気が出てきます。男性モデルの場合、筋肉や骨格がわかりやすいのでとても勉強になります。

2011/05/14

牡丹と葉

線を描く上で、はじめと終わりがとても大切です。
はじまった線が、どこへ行きつくのか。その先を意識したり想像する事で、対象物をより理解できます。

花びらの線を追っていて、その先にシベや茎の付け根があったり、ギザギザした葉の葉脈を追っていったら、その先がギザギザの先端とつながってた!と気づいたりします。

見落としに気づいたり、発見することで、世界とつながることができます。





大輪の牡丹を、画面いっぱいに描きました。
花びらが柔らかく描けていていいですね。花びらの奥へ続くラインまで丁寧に観察できています。ユリでもバラでも、花びらが落ちた後、シベと茎がどうつながっているかを観察することが大切です。





茶と緑が混ざったような色の大きなアンスリウムの葉です。





お二人とも葉一枚を丁寧に観察できていますね。
日本画家の小倉遊亀さんが生前、

「一枚の葉が手に入れば、宇宙全体が手に入る」

とおっしゃっていました。
すごい境地ですが、一つ一つをごまかさないで観察することで、少しでも理解できるように学んでいきたいと思っています。

2011/04/23

鏡を見つめる女性



ベールをかぶって、鏡を見つめる女性。
きっとモデルさんの中には、ポーズをしながらお腹空いたなぁとか、晩ご飯は何食べようとか考える事もあるかと思います。でも鏡を見てる時は、意識が自分自身に集中して、そこに張り詰めた糸のようなものが存在する気がします。鏡を見るという行為は、そういう意味で興味深いテーマだなぁと思います。

上の作品は、椅子に座った腰の安定感、鏡を持った腕のひねりなど、よく捉えられていると思います。腰や手の設置している部分はよく描けていますが、背中と背もたれの接地部分が少し弱いかもしれません。腰においたクッションのラインだけでも入れてあげると寄りかかっている感じが出てくると思います。





足が長くなったので、短く直した線が少し見えますね。直して良くなったと思います。時間が残り少なくても、直したほうが確実に良い形になるし勉強にもなるので、気づいた時に直すのはとてもいいことだと思います。





家に持ち帰って、写生を見ながらもう一枚描かれたそうです。丁寧に描かれています。鏡を持った手のひねりなど、輪郭線を引いて陰影を付ける方法だと、少し難しいかもしれません。内側に入る線と、向こう側にまわりこむ線を見つけていくと、ねじれが表現できてポーズをしなやかになると思います。





一つ一つの大小関係は気になるところもあるのですが、見つめる表情や、体幹を線で表現してる所が絵として面白いですね。頭蓋骨の形がベールのラインから想像できるとより良くなると思います。





正面から見た時の座りポーズは、足の奥行きを表現するのに苦労する所ですが、腰からもも、膝、すねのつながりの表現はとても存在感があっていいと思います。ハイライトの白を多用すると、肌になにか塗ったような質感になるので、やり過ぎない方がいいかもしれません。

2011/04/11

春の植物



自然界のものにはすべて、らせんの構造があります。
葉や実のつき方をよく観察してみると、右回りと左回りのらせんが、絡みあうような法則があります。デッサンではその事を一つ一つ見つけることで、よりそのものらしさを見つけていきます。

ミモザの黄色い花のふさ、そのふさ自体も、よく見るとプロペラのように回転しながらついています。枝の中ごろの、葉の隙間の形もきれいですね。





ヒヤシンスも花が沢山ついていて、複雑な花の構造なのですが、つぼみの段階を思い出すと、ひとつひとつの花が螺旋状についているのがわかります。茎がねじれてしなやかでいいですね。





コップの縁に寄りかかって、伸びていく感じがよく描けています。一つ一つの繋がりが生命感につながっていきます。





白い小さな花のふさを持つ馬酔木。この植物のらせんの構造はあまり良くわかりませんでした。(花もぽろぽろ落ちてしまうので)ただ、ふさの落ちていく流れのたたずまいが、丁寧に描かれていますね。

2011/04/10

ミュシャのように



花の精のような髪飾りをつけて、セミヌードの女性を描きました。画材は自由に色をつけたり、モノトーンで仕上げたりしています。しっかり形を描くことは勉強としては大切ですが、モデルさんから受け取った印象をそれぞれが自由に表現することが、絵の魅力につながっていくように感じました。

上の作品は、モノトーンで描かれていますが、表情を含めてとても豊かな雰囲気がありますね。頭にかぶった髪飾りのラインから後頭部を想像すると、もしかしたら首が太くなってしまうかもしれません。





少し首を長く感じすぎているかもしれませんが、顔の表情も含めて、色合いとよくあっていて女性らしいですね。静かですが動きのある人物画だと思います。





南国的な印象に仕上がりました。使う色紙によっても雰囲気がかわって面白いですね。





パステルのタッチがきいていて華やかに描けています。首を境に上下ですこし遊離してる印象があります。人体の量感はでているので、線を引いて首と上体との繋がりを確認してみると良いと思います。





パステルで描かれています。肌にブルー系の色が入っているのが綺麗ですね。パステルは紙の溝に顔料を埋めていく画材なので、全体を塗りこみ過ぎると、少し重たい印象になるかもしれません。暗くしたい時は、練りゴムで取って地の色を出してあげると良いと思います。





二種類の濃さの紙で描かれていました。右の作品は色がとても綺麗なのですが、左の人体のほうが、全体のつながりが見やすいですね。女性らしいラインで描かれています。