2011/04/23

鏡を見つめる女性



ベールをかぶって、鏡を見つめる女性。
きっとモデルさんの中には、ポーズをしながらお腹空いたなぁとか、晩ご飯は何食べようとか考える事もあるかと思います。でも鏡を見てる時は、意識が自分自身に集中して、そこに張り詰めた糸のようなものが存在する気がします。鏡を見るという行為は、そういう意味で興味深いテーマだなぁと思います。

上の作品は、椅子に座った腰の安定感、鏡を持った腕のひねりなど、よく捉えられていると思います。腰や手の設置している部分はよく描けていますが、背中と背もたれの接地部分が少し弱いかもしれません。腰においたクッションのラインだけでも入れてあげると寄りかかっている感じが出てくると思います。





足が長くなったので、短く直した線が少し見えますね。直して良くなったと思います。時間が残り少なくても、直したほうが確実に良い形になるし勉強にもなるので、気づいた時に直すのはとてもいいことだと思います。





家に持ち帰って、写生を見ながらもう一枚描かれたそうです。丁寧に描かれています。鏡を持った手のひねりなど、輪郭線を引いて陰影を付ける方法だと、少し難しいかもしれません。内側に入る線と、向こう側にまわりこむ線を見つけていくと、ねじれが表現できてポーズをしなやかになると思います。





一つ一つの大小関係は気になるところもあるのですが、見つめる表情や、体幹を線で表現してる所が絵として面白いですね。頭蓋骨の形がベールのラインから想像できるとより良くなると思います。





正面から見た時の座りポーズは、足の奥行きを表現するのに苦労する所ですが、腰からもも、膝、すねのつながりの表現はとても存在感があっていいと思います。ハイライトの白を多用すると、肌になにか塗ったような質感になるので、やり過ぎない方がいいかもしれません。

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